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海外研修レポート「ベトナム日本人材協力センター 経営塾」様


研修提供:リープブリッジVJ中小企業診断士事務所

杉浦直樹(ビズストーム認定インストラクター)

 ベトナム日本人材協力センター「VJCC」が実施するODAプロジェクト「経営塾」の中で、経営シミュレーションを学ぶツールとして「ビズストーム」を実施しました。ビズストームもこのプロジェクトに賛同し、この機会に合わせて英語版ツールをリリースするなど、全面的に協力をし、海外初のビズストーム研修開催となりました。

  今回のベトナム開催は評判も上々とのことで、地元ベトナムの日本語フリーペーパーにも掲載していただいたほか、日本でも日刊紙「フジサンケイビジネスアイ」にご掲載いただきました。

1.ビズストーム実施の背景

 今回の実施は、外務省がODAの一環で設置し、JICAが運営しているベトナム日本人材協力センターでのベトナム企業向けの経営者人材育成研修「経営塾」というプログラムで、今年初めて経営シミュレーション研修を組み込んで導入したものです。

    私自身は、3年前からこの経営塾の「ビジネスプラン」という経営計画を立案推進するセッションの講師として年に一度派遣され、ハノイで一週間、ホーチミンで同じものを一週間指導にあたっております。それぞれ24名前後の経営者が参加し、一週間の長丁場研修を受けてもらうのですが、講義を中心にしますとどうしても単調になることから、仮想企業の設立ワークショップなどを組み入れているものの、何かもっと実践的な経営を学ぶツールとしてビズストームのようなシミュレーションゲームを導入したいと思っておりました。   そこでビズストーム本部にご相談したところ、海外展開のため協力して取り組むことに合意し、英語版を共同制作した上で、実施の運びとなりました。

2.カリキュラムと研修風景

 今回の研修は、ベトナムのハノイ・ホーチミンの二か所で行いました。 相手はベトナム人ですので、全て英語での研修というわけにもいかないため、経営カードなどのツール類は英語版を用意し、ゲームルールの説明や振り返り解説については、プレゼン資料をベトナム語に翻訳し、日本語とベトナム語の逐次通訳で実施する方法をとりました。そのため時間が相当かかるということを予想し、初回のハノイは、午前中に初級3期で練習し、午後から3時間かけて中級5期の段取りで準備して本番に臨みました。

【inハノイ】連日猛暑が続き当日の最高気温が40度に達している中、それこそ熱い研修が始まりました。今回対象者は24名、通常であれば4卓を用意して6人ゲームで進めるべきところですが、海外の場合要領がわからないと思われるため、二人で一社を経営するという体制にして2卓11社で実施(二人は銀行という立場で取り仕切るようにしました)しました。

 当初、逐次通訳で完全に伝わらないことや、大人数で理解度にばらつきがあることから、ルールの習得に予定より時間がかかりました。そこでスケジュールを変更して、まず午前中に徹底してルールを確認しながら1期を終わらせ、午後から残りの初級2期と、中級5期を実施しました。

 中級の3期ぐらいになるとだんだんと呑み込めてきたようで、どんどん進んでいくのですが、むしろあまり経営戦略を考えずに行き当たりばったりで商品カードを作って、関心は市場ボードを開いて顧客ゲットすることの楽しさに移り、どちらかといえば賭け事に近いような感覚で異様なほどの盛り上がりを見せました。

 しかし翌日に行った振り返りによって、参加者それぞれが経営要素が詰まった当ゲームの意義についてようやく腹落ちしたようです。

【inホーチミン】 ハノイに続いて、ホーチミンでの経営塾でも23名を対象に実施いたしました。ハノイでの状況を鑑み、ホーチミンでは、ハノイよりも時間を長めに確保して臨みました。

 実際には9時半には初級1期から順番にゲームの構造を丁寧に説明し、12時までじっくりと2時間半をかけて初級3期分を行いました。

 ハノイ同様、当初はゲームルールの理解が難しい状況でしたが、初級2期、3期と進めるにつれて段々と理解が進むようになりました。

 昼の休憩を挟んで午後から中級5期の本番に臨みました。 初級を丁寧に行ったことから、中級5期はスムースに進めることができ、通訳を介しても一期あたり10分から15分程度で段取りよく進めることができました。

 その結果、振り返りに時間をじっくりとかけることができました。経営シミュレーション研修の経営実践とどうかかわっているのかに焦点を当てて徹底した解説を行い、かつ双方向で意見交換をする時間も十分にとることができ、夕方4時半までの研修終了時刻にはきちんとまとめ上げて終えることができました。

3.研修の効果

  参加者の感想を聞いてみますと、「最初はルールを理解することが難しかったが、経営カードを使って商品力や販売力を長期的視点から強くしていくことが経営結果につながることをこのゲームから体験でき大変有意義であった」という声が多かったです。

 そして来年以降もこのシミュレーションを研修プログラムとして継続して組み入れることについては、ほぼ全員が大変有意義だとの意思表示をしてくれました。また、やはり長期的投資が活きてくるには、中級5期ではなく上級8期が必要だと感じたとのコメントがありました。 またベトナム人の面白いところですが、そういった解説を聞いたのち、「もしもう一回ビズストームをプレイしたらトップを取れる自信があるか」と尋ねると、全員が手を挙げたのには驚きました。

 以上のとおり、初めての海外実施となったハノイ及びホーチミンでのビズストーム研修は、試行錯誤の中で何とか成功することができ、参加者の評判も上々でした。来年度以降の実施についても、前向きに検討を進めていく予定です。

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