株式会社大窪鐵工所 生産管理部部長
大窪 健太郎さん(ビズストーム認定インストラクター)
ビズストーム研修は、インターンシップでも多数ご活用いただいており、社内講師によって実施いただいています。
製造業会社の後継者であり、ご自身が認定インストラクターとなって自社内の研修にビズストームを実施されている大窪健太郎さんにお話を伺いました。
――大窪さんは、株式会社大窪鐵工所で次期社長となる予定の後継者でいらっしゃいます。
現在のお仕事の内容について教えていただけますか?
はい。当社は建設機械の部品を製造し販売している会社です。社員数は110名ほどで、取引先としてはコベルコ建機様や川崎重工様に製品を納めています。
私は生産管理部門に所属しているんですが、後継者として営業や採用活動も行っており、社内全般の業務に携わっている立ち位置にあります。
――ビズストームを知ったきっかけを教えていただけますか。また、初めてプレイされたときの印象はいかがでしたか?
所属している業界団体の青年部の研修で、初めてビズストームをプレイしました。普段から工場見学や講演会を行っている団体なのですが、ゲーム研修は初めてだったので楽しみに臨みました。
プレイしてみた感想は、楽しいし、作りこまれたコンテンツだということです。
かねてから自社の社員向けに社内研修を行いたいという想いがあり、私自身が色々なセミナーや研修会に参加する中で、研修の題材を探していました。ビズストームはゲーム研修なのでとっつきやすく、社員研修にとてもいいコンテンツだと感じました。
――その後、すぐに社内研修としてビズストームの講師派遣研修をご依頼いただいたんですよね。社内研修は、どのような狙いで実施されたんですか?
一番の狙いとしては、社員にコスト意識を持ってほしいということです。
ゲーム内で、利益がゼロの商品を市場に出してしまうという場面がありますが、実際に我々の仕事でこうしたことは起こり得るんです。ゲームを通じて、気づきを得てもらいたいという狙いでした。
製造部門からは、まずはリーダーにコスト意識を持ってもらいたいと思い係長や課長といった役職者に参加してもらいました。管理部門からは、若いうちから意識づけをすることを狙って若手社員に参加してもらって実施しました。
当社の代表が盛和塾に所属しており、私としても社員に「全員経営」の意識が浸透すればと思っています。研修の前に、社員に「今日は全員が経営者になりましょう」と話をしてビズストームを実施しました。
――研修の評判や効果はいかがでしたか?
率直な感想として「楽しかった」という声が多く、社内のコミュニケーションの活性化にもつながったと思います。
そして研修を実施した効果として、現場メンバーがコストや利益を気にしてれるようになったと感じています。当社では消耗品の購入権限を現場スタッフが持っているんですが、購入前に費用対効果を検討して私に説明してくれるようになったんです。コスト意識を持つようになってくれたことの現れだと感じています。
――その後、大窪さんご自身が認定インストラクターになられたんですね。活用状況について教えていただけますか?
はい。今後も自社内で継続してビズストーム研修を実施できるよう2021年に認定インストラクターの資格を取得しました。
まずは採用活動において、インターンシップでビズストームを実施しました。当社ではこれまで1Dayインターンシップを開催していたんですが、新卒採用にさらに力を入れていくため、新たに2Dayインターンシップを行うことになったんです。
参加した学生さんには、1日目に加工現場の体験をしてもらいます。2日目は管理やマネジメントを体験してもらいたいと考え、ビズストームを実施することにしました。
――インターンシップにビズストームを導入した目的は何でしょうか?
当社の打ち出している「全員経営」という方針に触れてもらうことです。私たちのような中小企業では、個人が会社の中で影響力を持てるので、社員にはやりたいことをどんどん提案してもらいたいと思っています。
経営を体験できるゲーム研修をインターンシップのコンテンツとして行うことで、当社では経営に関わって仕事ができるということを学生さんに発信することができました。その結果、例年よりも経営に興味を持っている層の学生さんが多く応募してくれました。
当社が求めている人材に、当社の価値観を発信できたという意味でもよかったと思います。
――認定インストラクターを取得されて間もない時期でしたが、はじめての実施はスムーズにできましたか。
研修実施のための細かいマニュアルやスライドがあったので、読み込んで実施しました。
また、前回の社内研修に参加してくれた社員にアシスタントとして入ってもらい、個別のフォローを手伝ってもらったので安心感がありました。
ビズストームは、研修を実施するにあたって必要なコンテンツが充実していて、とてもありがたかったです。学生向けの講義スライドもあったので準備もスムーズでした。
――実施の際に工夫したことなどあれば教えていただけますか。
ビズストームのプレイ後に解説講義を行ったのですが、その中で、ゲームでの学びを大窪鐵工所にあてはめた話をしました。私たちは、建設機械という市場で大手企業のお客様を狙っています。ニーズはありますが、国内企業だけでなく海外までもが競合になってきたため、競争は激化しています。こうした中で結果を残していくために、チームワークを大切にして仕事をしている、という話をしました。
――参加された学生の方の反応や評判はいかがでしたか?
ビズストームが目的でインターンに参加してくれた学生さんもいましたし、皆さんとても楽しんでプレイしてくれました。経営の難しさや面白さに触れてもらえたと思います。
社員も交えたグループ編成で実施したため、中盤からはそれぞれ声も大きくなって、打ち解けてプレイしていました。学生と社員のコミュニケーションの活性化にもなりました。
参加した学生さんの中から、本エントリーをしてくれそうだと手ごたえを感じています。
――最後に、今後のビズストームの活用予定について教えてください。
夏のインターンシップの次は、冬のインターンシップでも活用予定です。
また今後は、新入社員研修として新しく入ってきた社員全員を対象に毎年、ビズストーム研修を行いたいと思っています。既存社員も交じって一緒にプレイすることで、打ち解けるきっかけにもなります。ゲーム世代の社員が多いので、受け入れやすい研修だと思います。
そうして、何年も続けていくうちに社員全員がビズストームの経験者になることで、社内での共通言語にすることを目指しています。
<執筆 岡本友海(中小企業診断士/ビズストーム認定インストラクター)>