経営センスを鍛えるビジネスゲーム、ビズストーム

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【コラム】ビジネスゲームの効果

経営シミュレーションゲームの役割と効果

狭義のビジネスゲームである経営シミュレーションゲームは、現実のビジネスをモデル化したものです。
そのため、経営を疑似体験することができます。
ビズストームのような総合的な経営シミュレーションゲームは、単体の研修というよりは、学ぶための「疑似体験できるツール」と考えると、活用範囲が広い理由がわかっていただきやすいと思います。

ここでは、ビジネスをモデル化したゲームがなぜ役に立つか、弊社の考え方をご紹介します。

そもそも、経営を学ぼうと思ったとき、一般的な学習方法としては、次のように現実の経営から学ぶか、経営理論から学ぶかの2つが考えられます。

①現実の経営から学ぶ

現実の経営から学ぶまずは現実の経営から学ぶことです。
実際にビジネスの現場で見聞きすることもありますし、経営者の講演や各種の記事などで事例を知ることができます。
現実の経営から学ぶことは、リアルかつ具体的です。しかし現実の経営は複雑に多くの要素が絡み合っているため、法則や因果関係が見えにくいというデメリットがあります。法則が見えないと、自分の仕事にどう応用させたらよいのかわかりません。

②経営理論から学ぶ

経営理論から学ぶ反面、経営理論を座学で学ぶこともできます。経営理論は、多数の経営事例から共通の法則を抜き出したものといえます。ゲームよりはるかに大幅にモデル化してシンプルにしたものともいえるでしょう。しかし、シンプルにしている分、抽象度が高くなり、現実と結びつきにくく、机上の空論に見えてしまうこともあります。理論と理論のつながりを理解するのも難しいです。

③経営シミュレーションゲームで学ぶ場合

さて、では経営シミュレーションゲームで学ぶ場合はどうでしょうか。

経営シミュレーションゲームも同様に、現実の経営をモデル化したものですが、抽象化の度合いが経営理論よりも小さくなっています。そのため、現実の経営と経営理論の間をつなぐことができると考えています。
すなわち、経営理論よりは現実の経営とのギャップが小さいので現実と結びつけやすく、経営理論とも現実の経営よりはギャップが小さくて経営理論を学びやすいのです。またビジネスの要素のうち、なにがどう関連しているのか因果関係がゲーム内に表現されているので、全体のつながりを体感的に理解することができるという効果があります。

ビズストームをプレイしたのち、ゲーム内のできごととの関係も含めて経営理論を講義で解説すると、今まで単に言葉として知っていただけのことが、実際にビジネスの中でどう関連するのか、どう活かしたらよいのかを理解することができます。
経営学部の学生がプレイしたときに「やっと今まで学んできたことがつながりました!」と言っていたのがこの効果を示しています。

さらに、自分の仕事に戻ってから、ゲーム内の要素やできごとと、自分の仕事とどうつながるかを考えてみることで、仕事のヒントが得られます。
「仕事しながら、これはこういうことか!とビズストームはあとからも効いてきます」という声もよくいただきます。

ビジネスゲームの効果

経営シミュレーションゲームに限らず、ビジネスゲームでの研修全般にいえる効果もあります。

①やってみることの効果 ~知っているからできるへ~

受け身で知識をインプットする講義形式に比べ、ビジネスゲーム研修では、「自分で実際にやってみる」ことを仮想的に経験できます。つまり、自分で考えてアウトプットすることができます。

なにかを学ぶときは、インプットだけでなくアウトプットが必要です。試験のための勉強なら、まず講義や教科書等で知識を学び、問題を解いて演習することで、試験で得点する力がつきます。

それと同様に、たとえば3C分析という言葉は知っていても、どんなときにどう使えばよいのか、ピンときていないという人もいるでしょう。ビズストームで経営を自分でやってみると、顧客ニーズや競合の動向を知ることの意味を痛感することができます。

また、最終的なアウトプットは実際に仕事で実践することになるわけですが、仕事では要素が複雑すぎて成長をコントロールすることが難しい場合もあります。

たとえば車の運転を学ぶとき、専用に設計された教習所内で練習します。クランクやカーブ、信号や踏切など、熟練すべき技術が学べるようなコース設計になっています。公道で走る前に安全を確保しながら練習するという意味のほかに、効率的に技術を学ぶという効果があると考えられます。

同じようにビジネスゲームでは、学ばせたい重要な要素が強調されています。それを繰り返し短時間で体験することで、身につけたい技術を強化できるのです。ゲームの中でなら経営に失敗しても安全です。

このように、トレーニングとしてビジネスの要素を身につける効果があります。

②熱心かつ主体的に取り組むことの効果

ゲームを使った研修は、参加者の興味を引きやすいです。
ゲーム性が適切に織り込まれていれば、動機づけの効果があり、参加者は頭を振り絞って考えます。
特にビズストームのような1人が1社を経営する経営シミュレーションなどの場合は、必死で考えないとゲームが前に進みませんので、必然的に熱心に主体的に取り組むことになります。
集中して取り組んだことは、長時間記憶に残りやすいものです。強く記憶に残ることで実際の仕事をしているときに想起しやすくなりますので、行動変容にもつながります。

また、自分で意思決定をする経験を繰り返すことで、自分で考えて主体的に動くことの感覚も鍛えられます。
長年受け身の姿勢で仕事をしていると、自分で考えて動くという感覚がわからなくなります。
仮想であっても意思決定をしてみることは、マインドを変えるきっかけともなるでしょう。

ビジネスゲームでの研修は、取り扱える知識の量だけを考えると、講義形式に比べて限界があります。
しかし、本当に仕事に活かせるかどうかという視点では、とても効果的な研修のひとつです。
その他の研修と組み合わせながら活用いただければと思います。

(ビズストーム代表 箕作千佐子)

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