株式会社ケイキャリアパートナーズ
キャリアサポート本部キャリア開発課長
網まどかさん(ビズストーム認定インストラクター)
大手企業グループ向けの研修部門にて、講師として活躍されている網まどかさんにお話を伺いました。
網さんは、株式会社ケイキャリアパートナーズの研修講師として、主に川崎重工グループの企業向けに研修を実施されています。2014年からビズストーム研修を実施されているベテラン講師で、2020年からはいち早くオンライン版も活用いただいています。
研修会社として大手企業向けにビズストーム研修をどのように提供されているか、そしてオンライン版の活用状況についてお話を伺いました。
―― 網さんはケイキャリアパートナーズで20年以上にわたり研修講師として活躍されていますよね。普段のお仕事の内容について教えていただけますか?
はい。私の所属するケイキャリアパートナーズでは、主に川崎重工グループ向けに研修を提供しています。受講される方は、川崎重工や関連企業の社員の方です。新入社員から課長クラスまでの階層別研修をはじめ、OJTの中では意識する機会の少ないヒューマンスキルに重点をおいた研修を行っています。
グループ内で、企業の垣根を越えて研修を開催することも多いですね。
私は、研修講師として登壇するだけでなく、これらの研修の企画や受注活動も行っています。
―― ビズストームの認定インストラクターになられたのは2014年ですよね。研修会社として、ビズストームをどのように活用しようと考えられたのでしょうか?
マーケティングを学ぶための研修プログラムとして活用したいと思い、認定インストラクターになりました。
当時はリーマンショック後で、マーケットインの概念が重視され始めてきた頃でした。弊社の研修の受講者は、技術系や開発系のエンジニアが多いので、日々の仕事の中ではマーケティングを意識する機会が少ないんです。お客様である研修担当の方から、「市場や競合の意識をつけるための研修ができないか」というニーズをいただいていました。
ビズストームは、お客様の視点や競合の存在について体験しながら学べるため、まさに求めていたプログラムでした。
その後、弊社の私以外の在籍講師も認定インストラクターとなり、研修会社としてビズストームを提供できる体制を強化してきました。
マーケティングはもちろん、経営全般について学べる研修プログラムとして活用しています。
―― 網さんが研修の企画や営業もされているとのことですが、お客様の研修担当者にはどんな場面でビズストームを提案されていますか?
「ビジネス全般を学ばせたい」「受講者の視座を高めたい」といったニーズがあるときにビズストームを提案しています。
シミュレーション学習自体への関心が高まってきているので、研修担当の方にもイメージしてもらいやすく、すぐに受け入れていただけます。「ゲームって遊びじゃないの?」といった反応をされることはまずないですね。
弊社の方針として、座学ではなく体験型の研修を提供することを大切にしています。経験→省察→概念化→実践という経験学習サイクルを回すことで、得られる学びを最大化して成長を促すことが狙いです。
お客様である研修担当の方も、体験型研修の学習効果が高いことをよくご存じですので、ビズストームを提案すると非常に喜ばれます。係長から課長クラスの管理職向け研修でご活用いただくことが多いです。
―― これまで長年に渡り、大手企業のグループ会社の従業員さんにビズストームを提供していただいているんですね。受講された方からの評判はどうですか?
ビズストーム研修の評判はとても良いです。「リアルで、楽しくて、考えさせられる」というお声をよくいただいています。
研修を行う際は、ゲーム後の振り返りを大切にしています。川重グループの中期経営計画に絡めて経営目線の話をすることもありますね。また、ゲームを通じての学びを、受講者の仕事に具体的に落とし込んで発表してもらっています。部門や企業によってそれぞれ異なる気づきがあるため、お互いに語ってもらうことでさらに学びが得られています。
―― 昨年からは、いち早くオンライン版も活用いただいています。オンライン版を実施してみて、いかがでしょうか?
新型コロナウイルス感染症の影響で、拠点をまたいだ集合研修は実施できなくなったため、オンライン版を活用させていただきました。
ゲームを通じて学べることはオンラインでも集合研修でも遜色なく、研修効果は高いと思います。
むしろオンライン版は、他の受講者の作業内容が見えないため自然に情報がシャットアウトされ、より深く自分で考えることにつながると感じています。競合を強く意識する傾向もありますね。市場や競合の存在を実感してもらい経営目線を身に着ける研修として、一層リアリティを感じていただけています。
―― オンライン研修を実施する際に工夫されていることはありますか?
オンラインで進行するときは、「この市場には誰も商品を出していないですね」といったその場の状況を、言葉にして伝えることを意識しています。
集合研修だとゲーム中の講師の介入は意図的に控える場合もありますが、オンラインでは早い段階で受講者に自分で考えるための着眼点を手に入れてもらうことで、より効果を高められると感じています。
―― 最後に、今後のビズストームの活用について教えていただけますか?
ビズストーム研修は経験学習を通じて経営視点を身に着けられるプログラムで、お客様にも喜んでいただいているため、今後も積極的に活用していきたいと思っています。
そしてこの先しばらくは、オンラインでの研修実施のニーズは続くと見込んでいます。お客様の方針や状況に応じて、集合研修とオンライン版を使い分けながらビズストームを提供していきたいと思っています。
<執筆 岡本友海(中小企業診断士/ビズストーム認定インストラクター)>